そばこもぐもぐ。

雑食の雑文です。

演劇『らん』を観てきました。

『らん』を観てきました。

秦建日子さんが脚本・演出する舞台『らん』を鑑賞してきました。ボイメン研究生の松岡拳紀介くん(以下:けんぱちゃん)が出演しているというのが一番の理由でございます。

実は元々、鑑賞予定じゃなかったんです。でも、あまりにもけんぱちゃんが真摯に役に向き合ってるのを感じて、これは観ないときっと後悔する、と思って観に行ってきました。結論、その時の自分は間違ってなかった。グッジョブ、自分。

ameblo.jp

基本核心には触れませんが、私のように事前情報無しで観たいかたはここで回れ右してください。その方が絶対楽しめます。

 

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いいですか??言いましたよ?私、言いましたからね????

 

 

『嘘』と『愛』がキーワード。

サイトを見ても、情報量があまりにも少ない『らん』。これはきっと事前情報無しで来いというメッセージなのだな、と感じて、本当に何も知らない状況で観に行きました。

……結論、爆泣き。すっっっっっっごい良かった(語彙力死亡)。

見出しにも書きましたが、この舞台のキーワードは『嘘』と『愛』がキーワードです。

いつ、誰に『嘘』をつくか。そしてそれがどの『愛』に繋がるのか。

この舞台、とっても登場人物が多いんですけども、悪役がいないんですよ。誰もが自分の『正義』を持ってる。あーーー、だから『正義』というか『常識』とか『マジョリティとマイノリティ』とかもキーワードになるかもしれないんですけども、大枠は『嘘』と『愛』で進みます。多分。

登場人物は多いけど、コミュニティ分けすると豪族、百姓、赤谷(という名の江戸時代でいう穢多非人みたいな扱いなんだけどめちゃくちゃ強い盗賊でもある)の3つ。この3つのコミュニティ及び個々の思惑により、物語は進むんですが、本当に誰も悪い人いないの。誰かを守りたくて、誰かを愛しているが故に、悲劇が加速的に進んでいくの。悲しい連鎖が進んでいく度、その『愛』がより美しくみえるっていう、本当に美しくて悲しいストーリーなんでございます。

 

ナズナハコベを観て欲しい。

秦さんの作品はアンフェアシリーズを読んだくらいなので全てを知っている訳じゃないんですが、強くも儚い女性を描くのが上手なイメージがあります。

で、そんな秦さんの作品が好きな貴方。もう絶対当日券買ってでも『らん』観に行ってください。ナズナハコベの強く儚い生き様を、ぜひ感じて欲しい。

全てを諦めたような、でも希望を持つような、生きることを諦めたような、でも誰よりも生きることに執念があるような、あの二人のしなやかさが本当に美しいです。

赤谷の仲間を愛し、嘘をつかない。でも唯一嘘があるんです…。その嘘が持つ意味、その儚い関係性、そしてそれが土台にあるからこその強い絆に、嗚咽する程泣けます…。

 

けんぱちゃん演じるイタチの『愛』を是非観て!

今回の舞台を観るきっかけになったのはけんぱちゃんのブログなんですけども。本当にこの役に向き合ってきたことがわかるし、それが舞台で表現されていることに、心から感動して、感情が動いて、気づいたらボロッボロ泣いている、そんな感じでした。

 

ライブのけんぱちゃんは、思ったことがついつい擬音になりがちで、その擬音のインパクトに場が明るくなるんですけど、本人の意図していない所で盛り上がってしまうことも多いように思っていて。でもそんなのも含めて、けんぱちゃんの魅力なんですよ、ボイメン研究生では。

 

『らん』の中のけんぱちゃんは、というかイタチは、けんぱちゃんが持つ初々しさと素直さはそのままに、加えて好きな子に真摯で、真っ直ぐで、誰もが彼の未来を応援したくなる、凄く魅力的な役柄でした。

『好き』とか『愛してる』みたいな言葉を使わずに、どう『好き』か『愛してる』か伝えるか、みたいな所は、今回の舞台の大きなポイントな気がします。『好き』と言わずに『好き』であることが感じられるからこそ、『好き』と言ってしまう軽さを感じるみたいな…おい、お前!お前のことだぞ(役名は伏せますけども)!!イタチの『愛してる』を伝えるシーンは、本当に泣けます…けんぱちゃんの演技本当素晴らしかった…。

イタチの愛、ナズナハコベの愛と嘘をそれぞれ感じて、もう信じられないくらい泣きました。はーーーーいい舞台だわーーーーーー。

 

今からでも間に合うなんて、幸せなことじゃない。

さぁ、そんな『らん』を気になったそこの貴方。まだちょっとずつ、当日券があるらしいですよ。あと2日で終わっちゃうんですよ『らん』。

仕事の都合が付きそうなら、授業の都合が付きそうなら、デートの都合が付きそうなら、行って後悔はない『らん』を是非是非その目で観て欲しいです。

片思いにキュンキュンしたい人にもオススメですよ。家族愛にしっとりしたい人にもオススメですよ。しかも舞台で使われる劇中歌は生演奏なので、音楽好きな人にももちろんオススメです。

いろんなハードルかっ飛ばして鑑賞後に「あーーーー凄い良いもんみたわ…」って思うこと間違い無しなので、是非是非、劇場に足を運んでみてください。うちのけんぱちゃんの破壊力、ちょっと想像以上ですよ…!

TICKET INFO 秦組Vol.9「らん」公式サイト

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